日本経済新聞社記事「スマホ決済、トラブル頻発 楽天は不当に引き落とし」【記事に関する弊社代表コメント】

本日、LINE Payが5万件以上の個人情報が2カ月以上閲覧できる状態にあったと発表。
LINE Payは先月も2万5千件、7400万円の二重決済が発生との報道があったほか、12月3日には楽天Payもチャージできていないのに代金を口座振替していたとの記事が出ている。d払いも同日、決済サービスが利用できないシステムトラブルが発生したと発表。PayPayも10月に不具合で決済できない状態になったほか、9月には自治体キャンペーンで3億6千万円もの還元額で集計ミス、せっかく町を応援する取組みだったのに不安を抱かせてしまった。
書籍にも書いた通り、正常取引しかなければ決済サービスのシステムは容易だが、1%にも満たない些細な異常やセキュリティホールの抽出・想定と予防、発生してしまった場合の速やかな検知と緊急停止、迅速な善処対応、原因究明と再発防止策が、それはそれは非常に大変。クレジットカードは60年以上かけてやっとノウハウを蓄積してきたところ、電子マネーは少額を上限とした前払いとICのセキュリティで安全性を確保している。「とにかく早く、安く」が優先されがちなネットビジネスと、安全性と信頼性が何よりも重要な決済サービスとの両立は一筋縄ではいかないが、デジタル化による利便性とサービス品質の向上は必須であり、決済事業者の妥協のない改善への取組みと愚直なノウハウ蓄積に期待したい。安全が大前提の決済サービスでは、disruptはユーザーや社会にも影響しかねず、安くすれば普及するという安直な議論にも一石を投じる重要な事象といえる。

スマホ決済、トラブル頻発 楽天は不当に引き落とし