経済産業省「キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備 検討会」第1回検討会

「キャッシュレス決済の中小店舗へのさらなる普及促進に向けた環境整備 検討会」第1回検討会

 浅見さんの資料が秀逸。関係各者は熟読して参考にすべき。
 決済事業者からは、非論理的で出口不明な事務局の仕切りに対する不満や憤りが聞こえて来る。経産省の資料では、小口決済の加盟店開拓が必要であり、加盟店手数料や入金サイクル等の情報開示が必要とある。しかし、キャッシュレス・ポイント還元事業で端末代無償、加盟店手数料には上限設定(決済サービスによっては手数料ゼロ)、さらにお客様には5%がキャッシュバックされたというのに、それでもキャッシュレスを導入せず現金取引に固執した小売店が、加盟店手数料が数%安くなったからといってキャッシュレスを導入するだろうか?

 利用者本人が紛失・盗難・偽造に気付く前に不正を検知して利用を止めたうえ万が一不正利用されても補償される決済サービスと、不正利用されても補償しない決済サービスを、手数料だけ並べて比較することが、本当にキャッシュレス普及を促進するのか?

 例えばコード決済に他人のクレジットカードを紐付け登録する不正利用が発生した際にも、そのクレジットカードの不正利用額を補償するのはコード決済事業者ではなくカード会社であり、すなわち安全安心な決済サービスの提供のコストをかけているのはカード会社ということになるが、この両者を加盟店手数料だけで比較することがキャッシュレスの普及を促進するのだろうか? そのように安かろう悪かろう(安全ではない)キャッシュレスを推奨するような施策がまかり通り、無理矢理加盟店手数料を下げなければならなくなった場合、何のコストを削るか?実は最も大きなコストはシステム費用と人件費であり、不正被害に遭う確率が少ないシステムや人件費の費用対効果は割高なことから、セキュリティ対策にかけるコストが真っ先に削れられる可能性が高い。なにせセキュリティにコストをかけていると説明しても、セキュリティの比較無しに「他の決済サービスは安い」と比較されてしまうのだ。セキュリティにかけるコストが削られ「万が一の場合も安心」ではなくなれば、消費者は安心してキャッシュレスを使えなくなる。無理がたたって決済事業者が倒れれば加盟店への支払いが滞り、小売店も安心してキャッシュレスを取り扱うことができなくなる。有事の際にシワ寄せを受けるのは消費者や加盟店である。

 キャッシュレスの導入について真剣に考えたことのない小売店は、アンケートの回答する際の選択肢に「手数料が高い」「端末が高い」とそれらしい回答があれば、丸をつけるのはいわば当然である。安易なアンケートで手数料を悪者にして、利潤追求が当然の民間企業を叩く手法ではなく、真因が別にあることを早急に突き止め、実未導入店が導入する気になるようなメリットや社会的取組意義の理解促進を図るなど、実効性と普及効果のある安全第一のキャッシュレス普及政策が期待される。

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